2015年6月27日土曜日

浜松合唱塾6月の練習

浜松合唱塾6月の練習場所:曳馬協働センター
日時:2015/6/21(日)10:00~16:00
参加者:35名

練習曲
オルガン曲を中心に全曲
午前:フォーレ~白い木馬
午後:バッハ~水のいのち
リフレイン

 2013年10月に始まった浜松合唱塾の講座も、今回で修了し、来月の修了演奏会を残すの
みとなる。
 作品の中で、作曲家が表現しようとしている内容を、私の中に取り込み、私のことばで
表現すること。自己の体験と想像力を駆使して、表現するべき音楽の世界に分け入り、私
の世界として表現すること。作曲家の意図した世界を、まずは味わい、私のことばで表現
し直すこと。
 レポーターとして、雨森先生の創ろうとする音楽を集約してみました。

 それは、並大抵のことではないけれど、作品を表現する手立てはそれ以外にない。

 今日は、オルガニストの山縣先生にバッハ・モテットの通奏低音を弾いて頂く。

 フォーレは、師のサン=サーンス同様、無宗教であったという説がある。そのように考
えると、何故、従来のレクイエムの形式を大幅に離脱したのか? 全体の構成についても
合点のいく部分が多い。キリスト教だけではなく、あらゆる宗教に存在する天と地。たと
えば、パラダイスは、仏教でいえば、極楽浄土に置き換えられる、と雨森先生はおっしゃ
る。そのように、共感できる作品は、宗教を超えたところに位置する。また、国や民族や
個人を超えたところに普遍的に存在する。
 本日練習した曲は、4曲とも、天と地が存在し、その間に、人間の苦悩がある。そして、
その仲介するものは、バッハ、フォーレの場合には、聖霊や天使たち。それを敷衍(ふえん)したところに、天と地をつなぐ「水」や「白い木馬」が登場する。これらは全て不安とともに、天国への感謝や祈りを表すような音型をまとっている。

 私が、今回の講座で得たことは、以上のようなことであった。
(なごはる)

2015年5月25日月曜日

浜松合唱塾5月の練習

浜松合唱塾5月の練習
場所:県居協働センター
日時:2015/5/17(日)13:00~17:00
参加者:39名

練習曲
リフレイン(1回通し)
白い木馬
水のいのち(最後に一度通し、数カ所直し)

まずはじめに、発声練習も兼ねて、「リフレイン」を通す。
今日は、白い木馬を中心に、練習する。
午前中に、東部協働センターで行った自主練習の効果が発揮されて、前回に比べると数段、曲に近づいたようだ。Yさん、練習をありがとうございます。

歌いこみの回数を重ねるにつれて、この曲の全体像が、特に、今回は、その表現されている「いのちの輝き」の陰影が雨森先生の指導を通して、個々の心によりくっきりと形作られたように思う。天国と地上とを3拍子と4拍子に分ける手法や、ピアノによって凄まじく表現される悪夢や恐怖のパッセージ。天国への感謝や祈りの音型。特に、その上昇する音型やテーマの象徴的な使い方が、フォーレやバッハにそのまま遡ることができる、ということを実感しました。

指揮者が言われるように、28歳であの世へ旅立ったブッシュ孝子さんがこれらの詩を書き始めたのは、死のわずか4か月ほど前から、2週間前までの短い期間であった。こみあげ、溢れてくる詩は、この世にあるものへの訣別のことばであり、その「ことば」は、「いのち」と同格である、と曲集の前書きに作曲者が書いている。首もとからポッキリ折られて地にうちすてられた赤いバラは、運命という、突然の強風に吹き飛ばされそうになった自画像であり、ブッシュ孝子さんの人生がそのまま暗示されている。

終曲。「ここにも私の故郷はない」という人生への訣別の言葉が、作曲者の描いたフレーズの激しさとともに、はじめて、一瞬、ブッシュ孝子さんの訣別に、プラスのイメージで寄り添えたような気がしました。

そして組曲全体に、ふと思い出したように顔を出す冒頭のテーマ。それはブッシュ孝子のいのちのテーマ。焦点のぼやけた浮遊するようなイメージ。十字架の形をしたテーマ。このように表現された雨森先生と、平林先生のことばは、さすがに重くて、説得性がある。

両先生の練習は、ボケとツッコミのような楽しさがあり、好奇心をあおるような刺激に満ちていて、充実している。平林先生のピアノは、とにかく凄い! コーラスは、緊張感が高まり、持てる力は、全て、自ずから引き出されていく、という感じ。

その熟成した職人の手ほどきを、残りわずかとなったけれど、しっかりと味わいたい!
(なごはる)

2015年2月5日木曜日

浜松合唱塾2月の練習

浜松合唱塾2月の練習

場所:南部協働センター
日時:2015/2/1(日)13:00~17:00
参加者:38名

練習曲
リフレイン(1回通し)
萩原英彦/白い木馬
水のいのち(1回通し)
モテット3 第1曲目、コラール

まずはじめに、「リフレイン」を歌った後の後味の良さは、何に由来するのであろうか?
練習、本番を問わず、今ここに音楽を作るために集まった皆さんとの
「一期一会」を大切にしたい、という空気がまず溢れてくる。

今日は「白い木馬」を中心に進める。全曲を一度通し、IV、II、I、III、Vと
細かい部分を考えつつ進行する。

本日の醍醐味は、「白い木馬」という曲全編に表現されている重いテーマのこと。


詩は、ブッシュ孝子さんが、「死を予感した最後の数か月の間に、こみあげ、
あふれてくることばを書き綴った」ものから、作曲者が5曲選んだもので、
曲の構成も、宗教音楽のようによく練られている、ということを具体的に教わり、
確認する。特に、今回の合唱塾の教材に選ばれたバッハのモテットや、
フォーレのレクイエムと同じように、曲の構成は、IIIを中心に、
前後にシンメトリー(対称形)となっている。
本日の練習の順番も、そのことが理解できるように、配慮してくださる。

4曲目の「小さな詩」は、真夜中に翼が生えて、夜の闇にさまよいでる話。
また2曲目「ゆきんこが遠い国から」は、今度は、天からゆきんこが地上におりてくる話。
ミサ曲ならば、グロリアとサンクトゥスに相当する場所で、いずれも天国と地上をつなぐ
天使のような存在が描かれている。

対称型の中心にくる第3曲目が「折れたバラ」。命の象徴である「赤」いバラが、
地に打ち捨てられたにもかかわらず、ずっと美しく輝いて見える(=自画像)。
P36、ずっとー、ずっとーという部分が3拍ずつ3回登場するのは、三位一体である
父と子と聖霊を表現しているようで、この曲の祈りのきわみである。
また、この部分は、切ない! その祈りの緊張がほぐれて、終結部は、
涙のようなつゆを宿したバラが、ずっと、輝いてみえる。

さて、曲の冒頭で登場する動機について、雨森先生が平林先生に問いかける。
「曲全編にまたがってたびたび登場するこのピアノのテーマは、いったい何を
表しているのでしょうか?」。平林先生「うーん、どこにも行き場所のない
不安定な心を表現するのかなぁ・・・」。
ブッシュ孝子のテーマ。魂が浮遊するような不安なテーマ。完全ではないけれども、
十字架音型ですね。と、雨森先生は色々な表現をされた
(これは、フォーレのレクイエムにも登場する形式で、曲全体がこのテーマによって、
統一されている)。

いつものことであるが、雨森先生と平林先生の練習は、充実している。
曲の内容そのものへの正面からのアプローチ。平林先生のピアノは、とにかく凄い!
我々塾生は、まだよく呑み込めていないのにもかかわらず、緊張感が高まり、
持てる力は、全て、いつのまにか自然と引き出されていく、という感じ。
また、次回が楽しみ!  (なごはる)

2015年1月20日火曜日

浜松合唱塾1月の練習

浜松合唱塾1月の練習 先月に引き続き、今月も自主練習。
場所 / 東部協働センター
日時 / 2015/1/18(日)10:00~12:30
参加者 / 21名(2名初参加、ようこそ浜松合唱塾へ)

 練習曲
リフレイン
萩原英彦/白い木馬
 V 名も知らぬ異国の港町にて
 IV 小さな詩
 I 一陣の強い風が
「自分としては、「白い木馬」を一通りさらうつもりでいたのですが、辿りつけなかった、、、。(反省!) いきなり(臨時記号一杯の)音取りをお願いしたのにもかかわらず、快く引き受けてくださったTさん、感謝、感謝です 。」(Y)
と、練習指揮のYさんはおっしゃっていますが、何と言っても曲が難しい。足を引っ張る者の一人として、反省しています!
「Yさん、2時間半の長丁場、おひとりで大変でしたね。たいしたお手伝いもできずすみませんでした。おかげさまで、不安な部分が解消されて、なんとかなりそうな気がしてきました。今日、参加してくださった方達皆さん、同じ思いだと思います。」(T)
「最初のリフレインに始まって、白い木馬の4番5番を丁寧に繰り返していただきましたので、参加者も、全体がよく理解できたのではないかと思います。音もだいぶすっきりしてきましたよね。」(R)
練習指揮者Yさん、ピアノで音取りをして頂いたTさん、ありがとうございました。スタッフのRさんの感想は、みんなの思いを代弁しています。  「白い木馬」は、萩原英彦の遺稿詩集3部作の一つ。フランス音楽の流れが、日本でみごとに結実した作品ということで、今回取り上げられました。どうしても、音取り練習が主になり、全曲通す予定であったが、なかなか、そうたやすくない。調性や、その展開が難しく、音の確認も個人まかせでは難しい。密度の濃い楽しい練習をしていただいたYさん、Tさんに感謝します! (なごはる)